世界中の男女が色めき合う聖夜、クリスマス。

ヤギも例に漏れず、

今年ナンパで知り合い、

大好きになった彼女セラ子と

性夜を楽しんでいた。

12/25日、朝8時までは…










お互い予定を調整し、

クリスマスを2泊3日で満喫していた。



セラ子の手料理に喜び、

うきうきで合◯鍵を作りに行き、

震えながらイルミネーションを楽しみ、

夜景の綺麗なお店でディナーし、

セラ子邸でア◯ル開発し、

セー◯ー服にぶっかけて。



本当に充実した2日間を過ごしていた。



最終日、朝8時。

2時間後に新幹線で林檎に戻るヤギを見送るため、

セラ子はシャワーを浴びに行った。

ヤギも帰り支度。

ふとセラ子のスマホが目に止まった。

動画が再生されっぱなしで、

画面が開いている。





ざわっ





無視できないモヤモヤがヤギを襲った。



ヤギは基本的に女性のスマホは覗かない。

ここ10年以上、1度も見ていない。

疑いだしたらキリがないし、

隠し通してくれるなら浮気もありだとおもっているから。



しかし今回は違った。

少しだけ、確信に近い違和感があった。

普段の言動、挙動。

ヤギを好きと言いながらも、

その言葉にどこか真実味、

真剣味を感じることが出来ずにいたから。



スマホを手に取り、

LINEを開く。






判定










思っていたよりは少なかった。

黒い相手はたった1人。

しかしその1人がどう見ても、

彼氏だった。



数日前にいまヤギがいるこの部屋に泊めている模様。

ヤギがいま座っているこのベッドの上で、

ツーショットを撮り、

シェアし合っていた。



思ったほど心にダメージはなかった。

心底

「やっぱりか」

って思ったから。



でもやっぱり、

…残念だった。





シャワーを浴び終え、

髪を乾かすセラ子に、



ヤギ「ねえセラ子って彼氏何人いんの?」



ナンパで散々使い込んだ鉄板トーク。

こんな悲しい使い方する日が来るとはね。



セラ子「ヤギだけだよwなに急にw」



笑ってはいるが、

笑っていないヤギをみて異変を感じ取っていた。




ヤギ「前から違和感あってさ。俺が寝た後もちょこちょこLINE返してるし、明らか俺とのことじゃない思い出話ふること多いし、イン◯タでフォロワー男ばっかのアカに未だに投稿してるし(←ヤギもフォローしているアカ)」

セラ子「…」

ヤギ「別に男友だちと遊びに行くとか好きにしなって言ってるじゃん?でもさ、それは完璧にやましさとか怪しさを隠し通してくれる前提なのよ。」

セラ子「うん」

ヤギ「悪いけど、セラ子からは無視できないくらいやましさ感じてた」

セラ子「…」

ヤギ「さっきシャワー浴び行ってる時、スマホ開きっぱなしだったから、見させてもらった。何もなかったら謝るつもりだったけど、あれ彼氏よな?」

セラ子「ごめんなさい…」

ヤギ「いつから付き合ってんの?」

セラ子「1年半くらいです…」

ヤギ「なっがw」

セラ子「でももう月1も会ってないし別れると思う…」

ヤギ「そか。でも俺な、俺を大事にしてくれない人が嫌いなんよ。」

セラ子「ごめんなさい…」





昨日、合◯鍵をあげることを見越し、

セラ子はヤギへのクリプレにキーケ◯スをくれた。

キーケ◯スから付けたばかりの合◯鍵を外す。



ヤギ「キーケ◯スだけ貰っていい?」

セラ子「うん…」



ポロポロ泣き出すセラ子。

鍵を返し、キャリーバッグに手をかける。




ヤギ「少しの間だったけどありがとう。楽しかったよ」

セラ子「うぅっ私も…」

ヤギ「彼氏と1週間以内に別れたら連絡ちょうだい。もし来なかったらセラ子のLINEブロックして忘れるわ^ ^」

セラ子「わかった…」



涙のキス。

後ろは振り向かず、

セラ子の家を後にした。







ナンパを趣味とし、

日常的に新規の女性を抱けるようになったからか。

浮気だったと分かっても、

強い怒りや激しい喪失感に見舞われることはなかった。

なんなら

「わかる。まだアラツーだし色んな男と遊びたいよな」

って本気で思ったくらい。

※そもそもセラ子を攻められる身じゃないわけだけど





でもパートナーを裏切る選択をする以上、

失うリスクは背負わなければならない。



失いたくなければ、

リスクを最小限に留めるよう、

最新の注意を払う必要がある。

セラ子にはそれが足りなかった。

一般男性に比べ男関係にかなり寛容な僕が見過ごせないほど、

圧倒的に甘かった。



セラ子にとってはもう1人の彼氏が本命だったかもしれない。

もしかしたら僕との別れはさほどダメージになっていないかもしれない。

それでも大好きなセラ子に最後なにか残したかった。

大事な人を失うリスクの大きさを知って欲しかった。

今後付き合う人を大事にしてあげられる女性になってくれたら嬉しいな、

なんて死ぬほど勝手なことを願いつつ、

独り凍狂を後にした。